
こんにちは、BabyJです😊。
昔、失業中のある時期に、翻訳者を目指すことを決意。「頭」で考えた結果、仕事を見つけるには、特許翻訳が最適と判断し、通信教育講座で、特許翻訳を学んだ話を書きました。
けれども、そもそもそれほど好きな分野だったわけではないし、機械的で無味乾燥な英語に馴染むことができず、結局は講座修了と同時に、特許への関わりも「終了」したのでした。
そのことを掘り下げて書くために、棚の奥底から、昔勉強した教科書やノートを出してきてビックリ。まるで研究者か学者でも目指していたかのような勉強の残骸が出てきました。
翻訳分野と通信講座を選ぶためのムック本の数々
既に書いたとおり、最初から特許翻訳に決めていたのではなく、まず、翻訳分野と通信講座選びから始めました。
昔から、書籍など、どれがいいか選べないときは全部買ってしまう傾向がありました。この時もそうだったようで、相変わらずお世話になっているアルクやその他翻訳専門出版社のムックを山ほど買っていたのです。
付箋やアンダーラインがあちこちにあり、徹底的に読んだ形跡があります。

これらの徹底したリサーチの結果、需要がダントツなのは「医薬」であると確認しつつつも、2番目に需要のある「特許」の方が仕事が得やすいと判断し、「特許翻訳」を選んだのです。
そして、また、ムック本の中の各通信講座のリストを見て、費用や提携先、就職先などをよーく比較した結果、DHCの「日英特許翻訳入門コース」を選びました。
DHCというのは、今では、化粧品の通販で有名ですが、元は翻訳会社だったのです。
買っただけで開くこともなかった医薬関係の書籍と辞典。写真では分かりにくいですが、ステッドマン医学大辞典 は厚くて巨大、しかも高額なのです↓

失業中の6ヶ月に凄まじい量の特許翻訳の勉強
この通信講座を受講していたのは、失業給付を受けていた期間、たったの6ヶ月間です。その割には、すごい量の勉強の形跡。
以下は、裏表ぎっしり38ページある日英特許用語リスト、特許表現リスト、添削問題の全てをPCで打ち直し、間違ったところを赤字でチェックしたもの、さらに添削問題から抽出した用語集です。 *以下は薄っぺらく見えますが、実際は各資料が両面で10ページくらいあります。

それだけではなく、1つ1つの化学、科学、機械、電気、ITなどの分野の事象について、日英両方で、リサーチし、知識を学んでいます。化学の元素表さえも日英で学んでいるのです。

また、同様に、化学、科学、機械、電気、ITで扱う用語の意味について、日本語の用語集を入手し勉強しています。
以下の「化学英語101―リスニングとスピーキングで効率的に学ぶ 」はCD付きなので、洗面所で聴きながら歯を磨くなど、隙間時間にも勉強できるためとても役立ちました。

その上、実際の特許出願文書を日英両方でリサーチし、一言一句、照合し、アンダーラインとメモを加え、定型表現を学んでいるのです。写真は有機ELという発明についての特許申請文書です。

他の英語関連の勉強ではここまでやらなかった
今まで、通訳案内士、通訳、実務翻訳など、他にも目的を持って学んだ経験が度々ありました。でも、ここまでの勉強の形跡は残っていないのです。
テキストや資料にアンダーラインを引いて、何度も繰り返し読んだり、テープやCDを繰り返し聴いたりはしていたけれど、ここまで何から何まで資料を作成し、一言一句、重箱の隅をつつくような緻密な勉強はしていないのです。
特許翻訳の勉強、何故ここまでやったか
何故、ここまで特許翻訳に取り組んだのか、考えてみました。やると決めたら、徹底的にやらねばならない性格なのか。そうかもしれないけれどそれだけではないのです。
全く知識のない、全く新しい未知の分野だった、というのが一番の理由だと思ったのです。当たり前過ぎる結論だけれどそうなのです。
通訳案内士の勉強もしましたが、これは日本の地理や歴史、文化が中心。忘れてしまったとはいえ、それらはもともと中学からずっと学んでいたことです。
一般的な通訳や実務翻訳で扱う内容は、日々会社で扱うビジネス分野。
その一方、特許で扱う化学、科学、機械、電気、ITなどの事象は、日常では接しないような分野である上、特許の文書では、当然ながら、深く専門的に掘り下げた内容を扱っているのです。
専門用語や背景にある法則や論理は、日本語でも簡単に理解できない内容。その上、それらを日英両方で理解できなければならないのです。
そのため、重箱の隅をつつくような勉強が必要だったのです。それも失業中で、時間があったからできたことです。
特許翻訳、専門的であればあるほど汎用性なし
それだけの時間と労力を費やしました。けれども、超専門的であるが故に、その知識はその専門分野以外には使えません。
その道には進まない、と決めた場合は、もう役立たないのです。
弁護士を目指して、何度試験に落ちても、何年も何年も勉強し続ける人がいるけれど、それも同じことです。
結局、その道を諦めた時はつぶしがきかない。学んだことを即、活かせる場がない。詰め込んだ山ほどの知識、費やした時間は残念ながら役立たないのです。
私はたった6ヶ月で済んだからまだ良かったけれど、7年、10年と弁護士になるための勉強に費やした後諦めた人の年月は戻ってこないのです。今から会社に就職しても、即役立つスキルも経験もないという八方塞がりの状況ではないでしょうか。
何にでも役立つスキルや知識を勉強するのが一番
特許翻訳を目指している方は、特許の分野、化学、科学、機械、電気、ITの中から、専門分野を絞ることをおすすめします。そうでないと、勉強量があまりにも膨大になるからです。
けれども、私のように翻訳はやりたいけれど、特許には向かない、どっちつかずで選べない人は、多くの時間やお金、自分の人生を無駄にしないためにも、どんな仕事にも役立つ一般的なものを学ぶのが一番いいと思います。
つまり、仕事全般に役立つ実務翻訳ですね。実務翻訳で勉強する表現は、翻訳ではなく、英語の文章を書くときにもとても役立ちます。
とにかく、本当に心からそのことが好きで、なんとしてもこの道を行く、という揺るぎない決意と情熱がある場合はその道を進むべきだけれど、そうでない時は、普通を選ぶのが一番なのです。
結局、勉強に関わらず、何でも普通であることがいいのかもしれない、と思うのでした。
ではでは😊👍🏻。
【特許翻訳を目指している方は必須、特許についての勉強におすすめの本】