働き方のヒント

アンビリバボー 実在しないレストランから学ぶ

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こんにちは、BabyJです😊。

皆さんは、2018年3月15日(木)の「奇跡体験!アンビリバボー」を観ましたか?

有名な口コミサイトに、実在しない「架空のレストラン」を登録。実在しない架空の店であるにもかかわらず、たった6ヶ月でランキング18,149位から1位にまで上り詰めた話です。

その後、全部架空であったことを発表し、イギリス中を騒然とさせたその人物、ウーバー・バトラーという人物は、なんと素晴らしいビジネスの才能の持ち主か、とものすごく感銘を受けました。

今日はこの人の何がすごいのかを考えたいと思います。

実在しないレストラン仕掛け人|ものごとへの洞察力がすごい

彼は26歳のフリーライター。生活のため、口コミサイトに、嘘の口コミを投稿するアルバイトをしていました。そのレストランには一度も行ったことがないのに、評価をでっち上げて口コミに書けば、1件1,500円相当の報酬がもらえるのです (クラウドソーシングよりずっといい)。

なので、彼は、良心の呵責を感じながらも口コミを投稿していたのでした。

しかし、ある日、彼は驚いたのです。嘘を書いたのに、ユーザーから口コミに感謝までするコメントがついていたのです。

彼は考えました。

人々がこんなに簡単に口コミを信じてしまうのなら、架空のレストランをでっち上げたらどうなるだろう。そして、人はどこまで口コミに翻弄されるのだろうか。実験してやろう!

そして、前代未聞のいたずらを思いついたのでした。

人が嘘の口コミを評価した。感謝までした。そのひとつの事実、事象への洞察力、そこから前代未聞のいたずらに発展させるプロジェクト企画、実行力がすご過ぎるのです。

実在しないレストラン仕掛け人|こだわりが半端じゃない

当然ながら、口コミサイトへのレストラン登録・掲載のためには、アピールする紹介文や写真、場所の説明が不可欠です。

実在しないレストランであることがバレてはまずいので、使い捨て携帯の番号と自宅前の通りの名前だけを登録。店の外観はネットから誰かのものを無断で拝借。そして、料理の写真を写真家の友人に頼んで撮影しました。

しかし、架空のレストランなのだから、掲載する料理の写真にも絶対に食べ物は使わない、というこだわりがありました。

一品、一品、自分 (友達の?) の足やトイレの漂白剤、シェービングクリームなどを使って、美味しそうな料理の写真をでっち上げたのです。

本物の料理を作った方が簡単なのではないかと思うくらいのアレンジと細部への凝りよう。

やるからには、徹底的にやるという姿勢。

外からは見えないMacの基盤が、美しく配置されていなければ許さなかったスティーブ・ジョブスを思い出してしまいました。

実在しないレストラン仕掛け人|カスタマー心理分析に基づくコンセプトがすごい

そして、架空のレストランは、口コミサイトへの登録を難なくパスしたのでした。

次は、ランクアップを目指して、兄弟、友人、知人に口コミを依頼。ただ、高評価をつけることを依頼したのではありません。

顧客の心理を分析して、明確なコンセプトを打ち立て、そのコンセプトに沿った口コミをするよう頼んだのです。

皆の口コミが共通した内容をコメントしていれば、レストランの明確な特徴として印象付けられることを計算の上で。

そして、そのコンセプトは、客の心理についての鋭い洞察力が溢れているのです。

カスタマー心理分析を利用したコンセプトは3つ

  1. 外で食事ができる:人が求めるのは味ではなく雰囲気。
  2. お客さんの気分に合わせたメニュー:メニューの名前を欲情、愛、共感など、人の感情を表す言葉に。
  3. 完全予約制:なかなか予約が取れない店ほど人気が出る。

実在しないレストラン仕掛け人|動かせる人脈がすごい

食べ物ではなく、「もの」で作られた美味しそうな料理の撮影をしたのは、写真家の友人です。

最後に1度だけ、現実にレストランをオープンした時は、DJや料理人の友人が助っ人を請け負いました。

また、口コミ投稿を依頼され、共有コンセプトに従って、気の利いた投稿を続けた数々の友人、知人達。

実在しないレストランプロジェクト実行のための、人脈と動員力がすごいのです。

実在しないレストラン仕掛け人|一貫して目的がぶれない

実在しないレストラン仕掛け人のウーバー・バトラーの目的は、「人々がどこまで口コミを信じ翻弄されるのか実験をする」ことです。

その目的は最初から最後までブレていないのです。

人をだますこと、お金儲けをすること、有名になることは目的ではないのです。

口コミサイトで、ランクがあがるにつれて、たくさんの顧客から予約電話が殺到しました。また、企業からの取材の申込みや、自社の商品を使って欲しい会社からの大量のサンプルが押し寄せたのです。予想外の展開でした。

それでも、終始一貫、勢いに飲まれてそもそもの目的を見失うということはなかったのです。

実在しないレストラン仕掛け人|実験に徹しお金を取らない

とうとう、レストランが口コミサイトの1位を獲得し、予約電話が殺到。鳴り続ける電話対応で睡眠時間も充分に取れない状況になりました。

実在しないレストランなので、何週間も先まで予約で一杯だ、と予約を断り続けました。が、いつまでもそれを続けていたらいつかはバレてしまう。

そうなる前に、最後に1度だけ、本当にレストランを開店し、客を呼び、反応を試すことを決意しました。

自宅の小屋や庭をおしゃれっぽく演出し、スーパーで買ったインスタントの食材を食用花やトリュフや生クリームで飾り、給仕したのです。

お客はインスタントとも知らず、高級レストランと信じたまま大満足で帰りました。

その様子を全て撮影しつつも、実験だからとお客からは一銭もお金を取らなかったのでした。

実在しないレストラン仕掛け人|プロジェクト立案と実行力

最後に全てがでっち上げだったことをマスコミに発表。

前代未聞のいたずらにイギリス中が騒然でした。が、彼がやったことを批判する人より、肯定する人の方が多かったのだと言います。

人々がこれほど簡単に口コミやでっち上げを信じてしまうことを証明するためにやった。ネットの情報は全て鵜呑みにするな、という教訓を与えるためにやった、のだからと。

彼自身も、人々がネットに流れる嘘の情報に翻弄されるという社会問題を、衝撃的な方法で提起することで、身を持って知って欲しかったからやった、と言います。

私もやはり彼がやったことの肯定派です。

彼は起業やプロジェクトマネジャーに必要なすべての重要な能力、スキルを持っているのです。

小さな出来事について問題意識を持つ洞察力、細部への徹底的なこだわりと、顧客の心理を分析してコンセプトを考えるブランディング力と、最後までブレない目的と実行力。特に、「最後までブレない」というのがすごいと思うのです。

普通なら、予約の電話や取材の申し込みが殺到した時点で舞い上がって、お金儲けや別の方向に逸れてしまいそうです。

見習いたいと思うくらいの首尾貫徹です。

ちなみに、彼は今もライターとして、音楽関係などの記事を書いているのだといいます。

ライターとしても洞察力に飛んだ文章が書けそうだけれど、起業しても面白いことやって成功しそうなのに、ライターだけではもったいない気もするのでした。将来はどうなるでしょうか。

ではでは😊👍🏻。