外国人と交流

悩みの無料電話相談 いのちの電話 英語版

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こんにちは、BabyJです😊。

皆さんは、電話による悩み相談「いのちの電話」をご存知ですか?元々は、自殺防止のために設置されたという無料電話相談サービスです。

この「いのちの電話」には、実は、外国人用の英語版があり、ボランティアカウンセラーが24時間体制で日本に住む外国人からの様々な悩み相談に対応しています。

サービスの名称は、Tokyo English Life Line (TELL)。

私は、かつて、このボランティアになるための9週間の研修に参加し、最後のデビュー直前に、結婚、出産のために継続を断念しました。

今日は、今も健在の、Tokyo English Life Line (TELL)をご紹介します。

無料電話相談 Tokyo English Life Line (TELL)とは?

Tokyo English Life Line (TELL)は、日本在住 (東京だけでなく) の外国人に、日本で暮らすためのあらゆる情報とサービスを提供している非営利団体です。

About | TELL Japan

銀行、宅配、引っ越し、ゴミの扱い、空港へのアクセス、医療、教育、緊急対応、在留資格、運転免許、ライフライン、保険、交通、スポーツ、コミュニティー、大使館や米軍関係、その他、外国人が日本で生活するための、あらゆる情報とサービスを無料で提供しています。

そして、ボランティアによる無料電話相談では、人間関係、恋愛、離婚、病気、失業、などあらゆる悩み相談の他に、解決のための様々な関連情報の提供や、弁護士、医師、病院などの専門家への橋渡しも行なっています。

仲介手数料やコミッションのやりとりなどなしに純粋に相手に役立つ情報の提供として、です。

電話相談ボランティア研修参加を決意した理由

そもそも、私が何故、このTELLについて知ったかというと、大学時代、カウンセラーを目指していたので、なんとなく「いのちの電話」のサイトを検索していてTELLに辿りついたのです。

すぐにボランティアへの応募を決意。申し込みをしました。

けれども、誰もが参加できる訳ではなく、面接で参加の動機や人となり、英語レベルを確認、評価され、合格した人だけが研修に参加できるという仕組みです。

研修に参加するには、費用の支払い (現在は35,000円) が必要です。

非営利団体でボランティアなのに?と思われるかもしれませんが、非営利団体だからこそ、このような研修費や、企業等からの寄付金などのおかげで運営が成り立っているのです。

電話相談ボランティア研修の内容

電話相談ボランティアの研修は全9週間。週2回、夜19:00くらいから2時間〜2時間半くらいかけて行われます。

9週間に渡って、カウンセリングで扱う様々な分野について学ぶのです。

例えば、不安、カルチャーショック、虐待、いじめ、家庭内暴力、性同一性障害、鬱、統合失調症、妊娠、アルコール・中毒、摂食障害、喪失、家族・友人・職場・恋愛関係、結婚・離婚、病気、貧困、自殺、など。

1日の研修の前半は、その日の分野についての講義です。そして、後半は、グループに別れて、相談者とカウンセラー役に分かれてのロールプレイとトレーナーによるフィードバック、というカリキュラム構成です。

無料電話相談ボランティア、実際に研修に参加して

電話相談英語版TELLのボランティアとして参加するには、英語のネィティブである必要はありません。

しっかりした参加動機があって、英語がある程度以上できれば良いので、参加者の国籍は様々です。

日本人、アメリカ人、カナダ人、オーストリア人、ニュージーランド人、中国人など。もちろん、性別も年齢も様々です。

トレーニングの前半は、その日の分野の専門家が講義を行い、後半のロールプレイでは、自らもボランティアとして参加して経験を積んできた人がトレーナーを務め、フィードバックをメインとした指導を行ないます。

例えば、「統合失調症」の回では、精神科医が病気の原因、症状、治療方法についての講義を行う等、専門的な知識の提供が行われていました。

TELLのカウンセリングメソッド

TELLが研修で指導しているカンセリング方法は、心理学者カール・ロジャースの来談者中心療法の理論に基づいたものです。

とにかく相談者の「鏡になる」方法。相談者の悩みを傾聴し、自分が鏡であるかのように、あるがまま受けとめ理解するのです。

そして、相談者が自分で解決策を見つけられるように、事実だけを解きほぐすのです。

決して、解決策を提供したり、アドバイスをしたりしてはならないのです。

相談者の悩みを一番理解しているのは、相談者本人である。だから、問題の解決策を見つけるのも相談者本人である。という考えが根本にあります。

そうは言っても、言うは易く、行うは難し。相手の鏡になって、絶対にアドバイスをしてはならない、というのを実行するには、凄まじい忍耐力が必要なのです。

来談者中心療法

無料電話相談実地訓練、私だけ合格できない

全ての分野についての講義とロールプレイが修了した後は、トレーナーが相談者に扮して、実際に電話を使用した実地訓練が行われます。

この実地訓練に合格した人だけが、次のOJT (On the Job Training)に進めるのですが、私だけが何度も実施訓練のやり直しを命ぜられ、いつまでも合格することができませんでした。

理由は、私が、相談者の問題を「解決しようとしている」「相談者の話を辛抱強く傾聴するということができていない、解決したくてしょうがないのが伝わってくる」ということでした。

相談者は、問題を解決しようとせずに同じことを何度も繰り返し、問題の周りを際限なくぐるぐる回ることが多い。本当は解決を望んでいない。悩み続けることで自分を保っている人もいるのです。

そういう人に忍耐強く対応できていない、段々耐えられなくなって、イライラしてくるのが伝わってくる、と言われてしまったのです。

無料電話相談研修、やっとOn the Job Training (OJT)

それでもやっと何回に渡る実地訓練の末、OJTに進むことができました。

実際に、電話相談に対応するカウンセラーの横に座り、ヘッドフォーンでリアルタイムの会話を聴き、実地を体験する、というものです。

実際のデビューまでにこの体験を数回繰り返すことになっていました。

しかしながら、私はここで中断。デビュー直前を前にして、結婚、出産のために継続を断念することとなりました。

結婚、出産、子育てを経て、さらに人間としての経験を積んで、いつかまた戻ってこよう、と誓いながら。

人の悩みや問題に寄り添う忍耐力

結局、あれから15年。

結婚、出産、子育ての後は、離婚となり、シングルマザーとして仕事、子育ての両立に追われ、ボランティアどころではなくなってしまいました。

TELLは健在どころか進化しており、今では、チャットによる相談や、深刻な臨床心理的案件に対応するための精神科医等の専門家による有料サービスも提供しています (しかも料金は利用者の収入によるという対応)。

これからも、日本の外国人のために情報やサービスを提供し続けていくのでしょう。

けれども、「人の悩みや問題を鏡のように傾聴し寄り添う。解決しようとしてはならない」というのは、本当に忍耐力の必要なことなのです。

今日も、あの研修と訓練を修了して、忍耐の経験も積んだ各国からのボランティアが、日本で頼る人もない状況にある人達を支えているのです。

自殺や失恋、妊娠、統合失調症、人それぞれ、様々な悩みを抱える人達を。

TELLボランティアカウンセラー研修は、定期的に行われています。ご興味のある方は是非TELLのサイトをチェックしてみて下さい。

Lifeline Support Worker Training | TELL Japan

ではでは😊👍🏻。