BabyJ's Diary: バイリンガルシングルマザーのダイアリー

英語の仕事生活、異文化、役立つ学びの体験、そして、50代の幸せ探しの日々

9回神風特攻隊として飛び、9回生還した特攻隊員の話【生き方 4】

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こんにちは、BabyJです😌。

投稿数がやっと100を超えたため、ブログを全部読み返し振り返りをしていたため、しばらくご無沙汰をしてしまいました。

そんな中、先日お伝えしたホームレスが販売する"The Big Issue"の中で紹介されていた『青空に飛ぶ』という本を読みました。

敵軍に機体ごと体当たりして爆死し、敵に攻撃を与える「特攻隊  *英語ではまさにsuicide mission」。その特攻隊員として9回飛び、9回生還した「佐々木友次」について書かれた小説です。

主人公は、アメリカで幼少期を送り、日本に戻った帰国子女の中学生男子。佐々木友次についての記述は、全て歴史的事実である小説です。

この小説に、とても衝撃を受けたため、その内容についてご紹介したいと思います。 

日本のあり方に違和感を持つ主人公

主人公の萩原友人は、幼少期をアメリカで過ごした帰国子女。中1の2学期から日本の中学に転入します。

友人は、両親に何度も釘を刺されます。「日本に行ったら、周りと同じにしなければいけない。目立ってはいけない。アメリカにいた時のように自己主張してはいけない。」と。

転入した中学では、下校途中の買い食いが禁じられていた。真夏にどんなに喉が乾いていても飲み物を買うことも許されない (*それはうちの子供の中学もそうです)。

友人は、疑問に思う。アメリカの中学で禁止されていたのは、裸で学校に行くことと、銃を持ち込むことなど、自分や周囲を危険に晒すことだけだった。

職員室に行って、喉が乾いても水も買えない校則に異議を唱え、納得のいく理由を求めた。けれども、教師は言った。「校則だからだ。校則には従わなければいけない。」納得のいく理由などなかった。

そのように決まっているから従わなければならない。日本ではそうなのだ。

壮絶ないじめ

転入した中学ではいじめが横行していたが、ある日、いじめられっこをかばったことをきっかけに (帰国子女だからではなく)、主人公 友人はいじめの標的にされることになる。

自分対クラス全員で壮絶ないじめが繰り返される毎日。

萩原友人は、コンパスの針を首に刺され、されるがまま命令に従う。糞尿や唾液のついたフライドポテトやゴキブリを食べる。クラス全員に、汚らしい、お前は人間以下だ、まだ生きているのか死ね、と言われ、LINEで全員から1日中罵られる。

けれども、友人は、そのような壮絶ないじめの対象になっていることを、親には決して言わない。心配をかけまいとする気持ちと、親に話すことは、いじめを激化させる結果にしかもたらさないという諦めからだった。

壮絶ないじめは、読んでいてとても辛くなるほどだった。

特攻隊員 佐々木友次のことを偶然知る

友人は、壮絶ないじめから逃れるために、死を望むようになる。高いビルから、「青空に飛ぶ」ことを計画する。

けれども、その過程で、9回特攻に出て、9回生還した特攻隊員 佐々木友次のことを偶然知る。そして、自分が死ぬ前に、彼のことを知りたいと強く思う。何故、9回も生きて帰ったのかを。

友人は、佐々木友次について書かれた本を買い、飛ぶためのビルを探して彷徨いながらも、取り出しては読み漁る。そして、今は北海道の病院にいる佐々木友次本人にも会いに行く。

友次が生き抜いた理由を見つけるために。

死ぬために作られた機体

本には書かれていた。

特攻隊のために用意された機体は、操縦者が死ぬように作られている。

大容量の爆弾が機内に備え付けてあり、爆弾は外せないようになっている。機首から突き出た3メートルの「死のツノ」が、体当たりによって、敵軍の船体 (空母など)に接触すると、電流が走り、機内の爆弾が爆発するようになっている。

佐々木友次が所属する特攻隊「万朶隊 (ばんだたい)」は、第1回の特攻隊として、米軍艦隊に体当たりし、国のために死ぬことを命令される。それも、特攻実施の数日前に自分達のミッションを知らされたのだ。

戦うために機体を改造

けれども「万朶隊 」の隊長である「岩本隊長」には、米軍艦隊に対する体当たり攻撃は、自殺行為に値する効力がないことを見抜いていた。「特攻隊」は、士気を高揚するために、軍が仕組んだ精神論に過ぎないことを。

岩本隊長は、整備に依頼し、軍に無断で爆弾が落とせるように機体を改造する。その行為は死刑に値する背信行為であるのだけれども。

そして、佐々木友次等に言う。「爆弾を艦隊に命中させて生きて戻って来い。」と。

命令に背き続ける

けれども、岩本隊長を始め、大多数が、戻ることを果たせず、米軍の攻撃を受け死んでしまう。

佐々木友次は、小さい時から飛ぶことが大好きだった。その類い稀な操縦技術と、絶対に死なないという信念で、何度飛んでも生還し続ける。

特攻隊の殉死を大々的に公表し、賞賛し、士気高揚に利用する軍上層部にとっては、佐々木友次の生還はあってはならないことだった。天皇に殉死を報告し、勲章を与え、葬儀も出し、死んだことになっているからだった。

何度も生還する佐々木友次に、軍は命令し続ける。「今度こそ体当たりしろ。今度こそ死ね。」病気になっても回復を待たずに出陣を命令する。「今度こそ死ね。」と。

それでも佐々木友次は生還した。

それでも死なない佐々木友次に、軍は、射殺までも計画していたのだという。

何故、主人公は佐々木友次に惹かれたのか

友人は、病院で、佐々木友次に尋ねる。何故、命令に背いたのか、何故死ななかったのか。

友次の答えは、簡単なものだった。「寿命だ」と。「自分の寿命を自分で絶ってはいけない。」それだけだった。

けれども、友人は自問する。何故、自分はここま佐々木友次に惹かれたのか。苦難に耐えて、打ち勝った人は他にもいる。それなのに、特別、佐々木友次に惹かれるのは何故か。

そして、友人は答えを見つける。

大変な状況の中で、強さを見せた人はたくさんいるだろう。でも、ぼくが友次さんに惹かれるのは、それだけじゃない。その時、答えがポンと浮かんで、思わず声が出た。

日本人らしくないからだ。

友次さんは、ぼくのイメージする日本人と違っていた。ぼくの知っている日本人は、大きな物に従って、じっと黙っている人達だ。独りでは絶対に多数とは戦わない。戦う時はいつも集団だ。空気を読んで、ムードに流されて、みんな周りの顔色をうかがう。

誰も独りでは反抗しない。誰も単独では抗議しない。誰もただ一人では文句を言わない。それが日本人だ。そして、ぼくも、そんな日本人そのものだ。

でも、友次さんは独りで反抗した。命令に背いた。国家に従わなかった。すごい。ただ、すごい。日本人でもこんな人がいるんだ。

自分で見つけた答えに、自分で驚いた。そして、納得した。ぼくが友次さんに強烈に惹かれる理由はこれだったんだ。

私はこの小説が伝えようとしたのは、個人主義 VS 集団主義/体制主義のように思う。

主人公は帰国子女で、常にアメリカの個人主義と日本の集団/体制主義を比較している。それでも真髄は日本人で、日本的な生き方をしている。だから、日本人らしくない佐々木友次に惹かれたのだろう。

前半にアメリカでのいじめのことも出てくる。アメリカでは、いじめられる人、いじめる人、介入しようとする人、傍観者といろいろな態度がある。いじめられっこをかばって戦う強い奴もいる。

でも、日本では1対クラス全員。

 

結局、主人公 萩原友人は、「飛ばすに」遠い島の中学に転校することで小説は終わる。

間違ったものには反抗する勇気

特攻隊が終焉するまでに、何千人もの特攻隊員が殉死した。「国のため」という名の元に命令に従った。けれども、佐々木友次は従わなかった。

相手が国家だろうと権威だろうと、誤った命令に従う必要はない。自分の意志を貫き、どんな圧力にも屈せず、反抗し続けた友次は素晴らしいと思う。

そして、私もそういう生き方が正しいと思う。ここが日本であっても。周りに合わせて黙っているのではなく、1人でも間違ったことには抗議し、戦うべきだと思う。

* アメリカ的が全て正しく、日本的は間違いという意味ではありません。

ではでは😌👍🏻。